睡眠時間大人は6時間以上、小学生は9時間以上!
患者が昼間に眠気を感じる、ナルコレプシーかも知れないと頻繁にご紹介を頂きます。ところが年間通して、まず本物の過眠症に出会うことは少ないのです。聞けば大人は4,5時間、小学生は6,7時間睡眠。なぜ睡眠時間が足りなくて、昼間が眠いことに気づかれないか、不思議であり、このことを立証して理解して頂くこともまた大変な作業であります。頻繁に逆ギレされ、寝なくても眠くならないようにするのがお前の仕事だろう、説教するな、と怒られます。
第一線で睡眠医療を行っていると、睡眠負債がどんどん国民の健康を蝕み、社会を破壊していることを実感します。今日の朝日新聞の一面に昼夜逆転が関連する不登校生の増加、三面に国から「大人は6時間以上、小学生は9時間以上寝て下さい!」の記事が掲載されました。
・あまり寝ないことを自慢する国民
・睡眠負債は子どもの時から脳神経を障害
・大人で6時間以下睡眠は認知症発生、寿命の短縮
などの情報を織り込みました。
この本は時間ない診察の合間に、一筆一筆を書き溜めたのは、睡眠負債が癌のようにどんどん世界に全身転移していることを日々実感しているからです。今でも睡眠時間が短いのを自慢していたら、既に認知機能が低下している証拠です。そのような大人の環境下で育つ子どもたちが可哀想です。