院長ブログ

今だから言える推し活の話

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

ちなみにこの方はジャニーズではありません。
私の推し活、日本全耳鼻咽喉科医のトップに立つ学会総会理事長であります。
皆に好かれ、誰とでもフラットに冗談を話す先生で、突然電話して来て、「おー、ひまか?」で会話が始まります。それが先月のある日、「時間できたら連絡下さい」のショートメールをみた途端、良からぬことが起きたと直感。
すぐに折り返すと、深刻な話をする時の口調。
「あんな、俺心臓が止まって、命助かって今ICUから出て来たところやねん」
「はああああ?」
「これからはお前の言うこと聞くわ」
思い当たることがあります。
信五先生は無呼吸があって、手術をされた創部をよく研修医にもみせていました。
しかしそれは20年前のこと。年齢が加算されると無呼吸は再び悪化をします。
奥様に相談され本人口説いても、大丈夫大丈夫と医者の不養生。
無呼吸の治療だけは子どもを押さえつけるようにできるものではないので、数年来静観するしかありませんでした。
実際検査して陽性とわかっても、予防治療を避ける患者には必ず危険性を説明します。一方、予防したくないというのも患者の権利として尊重すべきであり、後は祈るしかありません。
「どうか発作起きた時は命に関わらない程度でありますように」
意外と命を取り戻した患者はその後ちゃんと治療を受けると誰よりも健康意識が高まり、長寿になります。
寂しがり屋の先生でもあります。それから毎週末は東京に飛び、家族面会枠を頂いてお見舞いに伺いました。ところが初回お会いした時に言われたことに顎が落ちました。
「韓国で招待講演があるからスピーチ原稿みてくれるか」
「先生、奥様に怒られますよ!」
「俺だめやねん、じっとしているのは」
数日後、この学会の日本側開催責任者の取り計らいで、なんとこの学会の開催地を韓国から日本に移したと伺った時、どれだけの医師がこの先生を敬愛しているか、容易にわかるでしょう。
先生が元気に名古屋に戻り、クリニックに訪れて下さった時、これでやっと人生の恩返しができると思い、嬉しくなりました。なのに、受診直後すぐに地元土産とともに、お礼のお手紙を頂き、感動しました。
昭和の時代の教授は莫大な権力を持ち、そりゃ怖い先生たちばかりでした。ところが今では多くの権力が剥ぎ取られたにも拘わらず、勘違いしている若手がいるから面白い。
「最近の開業医はケチだ、出すと言った額の1割しか貰えない」と、平気で酒の肴に公然で話す人間もいるらしい。いやいや、残念ながらあなたは1割しか価値がないと判断されたのでしょう。自分の小ささをアピールするようなものだし、品のなさを言葉にするから推して貰えない理由くらいは、賢い頭ならわかるのにと、周りは思っているかも知れません。
信五先生の見舞い3回目。
「先生の体調に気づき始めた人たちにどう話したらいいでしょう」
「今学会のホームページのトップに、心臓が止まって、今元気になって入院中という記事を書いて載せたところやねん」
「は?????学会ホームページに?????しかも入院中?????」
ここで「?」が5個あることに気づいた方は推し活仲間です。嬉しかった瞬間です。私の知っている信五先生が戻ってきたからです。
世界中の医師たちが心から推し活をしたい信五先生、いつまでも元気でいて頂きたいと思います。私の全エネルギーを差し出しても、お守りしたいと思います。


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