院長ブログ

2mmお金持ちより

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 昨日送り主名なしでクリニックに品物が届き、事務長が不気味に思いました。しまった、SNSで連絡あったことを事務長に言い忘れました。
 SNSを怖がるひとが多い年代ですが、私にとってはありがたいツールです。フェースブックを愛用し、友だちの友だちまでが友だちになれます。先日名古屋駅ビルの写真を載せたら、それをみられ、近くの普段なら近寄れない大成功者の院長から連絡があり、一緒にお食事し、勉強させて頂きました。
 品物を送って下さった主は、フェースブックで遠くから私の行動を見守って下さっている大学の先輩だと知りましたが、全く面識がありません。にも拘わらず、名古屋駅でのクリニック運営の大変さを察して下さり、「この時計で健康管理するように」と、涙の出るようなメッセージが同封されていました。 
 一般からすると、名古屋駅で仕事している人たちはさぞ経済に恵まれていると思われるかも知れませんが、大きな間違いです。土地探しの際、著名な不動産企業にさえ、保険診療クリニックレベルでは駅での運営は無理、と相手にされませんでした。そもそも日本の医療費は先進国でもっとも安価と言われ、皆さまは再診時ワンコインでもおつりが来ることを経験されていると思います。しかもどのような地価の場所でも運営しても医療価格が同じというのも面白い話です。この生き方への思いは、それぞれ名古屋駅で仕事している院長の哲学があり、それぞれのお話を伺うことがとても勉強になり、励みになります。基本的には全員が大きな経済を回し、利益というと、地方でやった方が大きいくらいという結論。ならば私が名古屋駅に拘った理由は何か。
 自分はもともと医療者でも変わった仕事をやっていると、長年横目でみられていました。だってひとが寝ていることに興味を持ち、げーげー吐くめまい患者の治療をしたがる、医師として不思議ちゃんだと言われました。今ではそう何人もいらないが、ひとりくらい必要とされる医者であるならば、患者の視線からみてもっとも利便性の高い場所に出ようと思いました。
 なんで自分は変なひとなんでしょうね。単純にその疾患に悩んだことがあり、患者の気持ちがわかるからかも知れません。少数の患者だから粗末にする過去の医療者に解せなかったのかも知れません。そして、メジャーの道を歩んでは私には生き残れる術はないと若い時から気づいたからかも知れません。
 小6まで台湾で過ごし、中学から日本語を学び医学部に入るまで6年間しかなく、スパルタ両親のもとでどのような思春期を過ごしたか想像つきますでしょう。入った大学は当時新設大学と言われる最後に出来た医学部。それまで外国人に対する差別の上、大学を卒業すると、医師同士の大学ランクによる差別。びっくりでしょうが、多くの大学人が未だ人間の頭の良さは18歳の時の偏差値で計るものだと思っています。偏差値では一番上の医学部が頭いいと思っているひとがいるならば、残念ながらそのひとは頭がよろしくないかも知れません。大学が健康的であるかどうかをみるには、簡単な方法があります。その大学を支配する幹部に、最初からいた学閥、第三組織から来たひと、そして同窓生の割合のバランスでわかるかと思います。
 白い巨塔を散々みさせて頂きましたが、その試練があって今の自分のスキルがあると理解し、感謝もしています。最近日本人のノーベル賞受賞がありましたが、またまた日本にいない日本人でした。江戸時代から変わぬ文化があることがこの国のまたいいところであります。本当に仕事ができるひとは組織から追い出した方が世界に貢献する、さらに上の思考で日本の組織が思いやりのある文化を続けているのかも知れませんね。最高!
 組織のなかで反逆児のように生きて来た自分に、多くの先輩たちが影から応援して下さっていたことを改めて感謝する気持ちがこみ上げ、涙が出ます。先輩のメッセージにこうも綴ってありました。新設大学から国公立の准教授に上った同窓生はいない、今度は名古屋駅で日本一のクリニックにして下さい、2mmお金持ちの先輩より、とありました。
 このお名前は一般には嫌みのように聞こえるかも知れませんが、どれだけクリニック運営って苦しいかわかるひとしか書けないペンネームです。しかもお金持ちと言われる人たちは、見ず知らずの人間に思いやることないですからね、笑。
 2mm先のお金持ちどころか、しばらく数年間自分の給料は出ないと思っています。200Km先にいる先輩を追いかけたいと思います。


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