院長ブログ

<耳石の病「なぜ」を追求>2021.12.14.中日新聞Dr'sサロン

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 寝返りを打った時や朝起きようとした瞬間に突然、天地がひっくり返り、目の前がぐるぐる回る。そんな症状が出る良性発作性頭位めまい症(BPPV)は嘔吐する場合も多く、患者は脳出血でも起こしたかと苦しむ。
 内耳の前庭という所に多くある「耳石」が剝がれ、平衡感覚をつかさどる三半規管に入り込むことで発症する。耳鼻科医であれば、すぐさま「安心してください」と言うだろう。耳石を元の位置に戻すリハビリが確立されているからだ。
 湾岸戦争後に米国留学していたころ、ある学会でBPPVの治療法を報告した開業医に出会った。リハビリでめまいを改善するという内容は衝撃的で、「開業医の妄想」としてほとんど相手にされなかった。後に標準的な治療法となる「エプリー耳石置換法」を考案したJohn・Epleyイプリー(ジョン・イプリー)先生との出会いだ。
 彼の学説に魅了され、共同研究に携わったほか、世界にこの治療を広めるために奔走した。彼は昨年、この世を去ったが、今、エプリー法を知らない耳鼻科医はいない。
 次の課題はなぜ起こるか。ここを深く考えないと医療は進歩しない。就眠に関連して起きやすいこの疾患は、めまいと睡眠を同時に追わないと難しそうだ。両者を専門とする私にとっても難題だが、答えはぼんやり見えてきている。


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