第82回日本めまい平衡医学会総会―その2―
学会初日、朝〜晩まで忙しい一日でした。
・PPPDをまとめられたStaab先生の講演で得るものが多く、二つ質問させて頂いた情報をシェアします(左上):PPPDは不安が伴うものだが、近年PTSDとする考えるがあるがどうかについて、同様の経験をしており、否定はしない。加齢変化を排除する考えが理解できないことについて、基本的にPPPDは構造的障害のみではないので、神経変性はやはり除くべき。この点についてはまだEBMが不足していると個人的印象。
・当院河合技師が「めまい患者の睡眠検査について」を報告しました(右上)。陽性の方が治療した結果について知りたい質問に対し、実際多く行われているが、今回の報告についてはそれに触れない、と次回の報告に期待して頂くこととなりました。ほかの睡眠障害は?の質問について、無論考慮するべきであり、特に睡眠不足は負債となり、脳に障害を与えると答えました。
・若手の先生たちの演題座長を務めました(左下)。脳血管障害が引き起こすめまい症例についての群でしたが、気になることがありました。それぞれが報告している脳血管障害について、情報量が不足、恐らく放射線医師のレポートによる情報を鵜呑みしている印象。現代医療の歪みを感じました。若手が緊急時対応する、その後はそれぞれの専門医が担当する、それぞれの意見をまとめる、という様子を見受けました。そのため、症状と検査所見の辻褄が合わないことに気づかず、討論で詰まってしまいます。昔は専門医がなく、医者はそれぞれ自分で科を跨いでも必死に疾病を追究したものです。群の最後に苦言を呈し、「MRI撮る前に、所見を取ろう!」と笑いと取ったところで終わりました。
・懇親会を開かせて頂きました(右下)。耳鼻科総会村上理事長を始め、大阪公立大学耳鼻咽喉科角南教授とお仲間、鹿児島から牧瀬先生、クリニックの仲間たちで新潟の地酒を堪能しながら美味しい海鮮料理を頂きました。この仲間たちが日々どれだけ患者のために苦悩して働いているかと思うと、少しでも明日からのエネルギーが溜まればと、こんな時ばかり、開業して誰かのために役立てられて良かったと思いました、笑。