院長ブログ

中日新聞からだの悩みQ&A:自律神経失調症?

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 時々医師から自律神経失調症と、言われることがあるかと思いますが、納得しない患者が多々おられます。納得しなくていいのです。自律神経だというなら、具体的にどう治療するのか、蔓延と投薬するのではなく、治療の出口はどうなるのか、などを聞いてみるのもいいかと思います。
 脳神経はあまりにも複雑であり、私見ですが、ほとんどの医学生は脳神経の勉強が好きではないはずです。多くある脳神経のなか、もっとも複雑なめまいのセンサーである三半規管や耳石膜を含む前庭神経は、幸か不幸か、外科系の耳鼻咽喉科に属しています。一方、一般的に脳の病気として考えられがちであり、めまいはどうも医学の隙間に入り込んでしまった印象を持ちます。患者はどこに罹ったらいいかわからず、あっちこっち受診して最終的に自律神経だよと、診断されるのかも知れません。
 自律神経というのは脳幹網様体に中枢があり、すべての脳神経機能をひとつひとつ診断して、最終的に否定法で残す症状と考えています。手がけるならば、どういう計画でどう終わらせるかの終点がみえる治療がいいと考えます。安易に精神安定剤だけ服用すると、依存性から抜けられなくなる可能性があります。ただし、場合によっては精神科診断や治療が必要であり、容易な疾患ではないのは確かです。
 相談された方は、自律神経失調症から生まれためまいではなく、逆にめまいから発生した自律神経失調症の可能性があります。近年世界的にこのような「なぞのめまい」を「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」として新たなる医療を開始したばかりです。
 今週新潟で開催される第82回日本めまい平衡医学会総会にて当院より5演題、なか2題は「PPPD」に対する治療を報告します。学会参加中、ご迷惑をおかけ致します。充電し戻り次第、さらなるパワーアップした診療に尽力致します。


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