院長ブログ

成功大学と滷(魯)肉飯 ―その1/3:ー最高のパートナー

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

<お詫び>
 3回シリーズでルーローハンを書いて来て、大きなミスを犯したことに気づき、赤面です。ルーローハンの「ルー」の漢字を「その2」まで「煮」と書きましたが、恥ずかしい間違いです。正しくは「滷」もしくは「魯」です。
 ミスの理由は、私は中国語ワープロが使えず、すべて日本語入力して当用漢字から探すため、間違いが起こりました。まずは深くお詫び致します。

<滷・魯・煮 の違い>
 この3文字みただけで、現地人なら口の中でそれぞれ違う味覚が刺激されるはず。最初の二文字「滷・魯」は同じ発音で「ルー」下がって上がっての第三音です。叉焼を煮込むように、ベースは醤油と砂糖プラススパイスのタレで調理することです。私のイメージでは、大陸ではよく「滷」を使い、中華街では「滷」をみかけ、スパイスが強めです。「魯」は台湾に多く、スパイス軽めで、この文字が日本のワープロで出ず、「煮る」と変換したのが最大の間違いでした。そもそも「煮」は、茹でる、それこそ煮るです。大変失礼しました。ご指摘頂いた恵蘭さん、ありがとうございます!

<成大校友会館>
 最初に成功大学に招かれた際、まず大学がひとつの街になっている巨大さに驚き、さらに校内に大学所有のホテル、そしてそれが高級ホテルであることに驚きました。時々空いているとネットでも予約できるので機会がある方は是非一度。
 数年来講義の度泊まらせて頂くなか、最大の楽しみが朝食であります。それが一般的によくあるバイキング形式ですが、私の魯肉飯愛が炸裂する理由があるのです。
 幼少期担仔麺や魯肉飯を屋台で頼むと、店主が最後に魯肉汁を麺やご飯の上にかけます。その際、心の中で全員が叫んでいるはずです、「できるだけ沢山かけてくれ!」と。あの魯肉が入った鍋はアンタッチャブルで神聖な世界。どこの店も味が盗まれるのを恐れ、一般人が触るのを毛嫌いするはず。それがなんとこのホテルでは、魯肉が鍋ごとおいてあるのです!そして魯肉飯最上級のパートナー、「肉鬆」 がいるのです!
 肉鬆とは、日本ならご飯のふりかけのような存在。すべての台湾人幼少期は肉鬆で育っているはず、味覚の基礎は肉鬆でできていると思います。豚肉をほぐし油で炒ってでんぶにしたもので、魚でできた魚鬆もありますが、一般的に肉鬆と言えば豚です。
 肉鬆は主役ではなく、あくまでも脇役ですが、もの凄く重要で存在感の強い脇役です。風邪の時はお粥と肉鬆、朝食での出番頻度はほぼ毎回でしょうか。問題は最近台湾で若者がちゃんと食卓で朝食をとらなくなり、歩きながらの台湾おにぎりやサンドイッチを食べる傾向です。昔の台湾は朝食屋さんが沢山あったのですが、最近はそれこそおにぎりかパンの二択です。ところで台湾おにぎりにも肉鬆がよく入っています。また、色んな食べ物、例えばクレープの屋台のオプションにも肉鬆があります。
 つまり、肉鬆だけでご飯が食べられる重要な役色なのに、成大校友会館では魯肉鍋の横に肉鬆がおいてあるのは、イクラの隣にキャビアがおいてあるようなものです。これをご飯に載せると肉鬆魯肉飯、日本でいうと天・鰻丼のようなものとなり、私にとって至上の魯肉飯が完成します!あまりにも贅沢です。
 肉鬆は台湾に行けばスーパーや土産店、有名な新東陽に必ずあります。困ったことに肉類は日本に持ち込めないのですが、最近通販でも簡単に注文できるし、大きな台湾系中華雑貨店にも置いてあります。是非一度「肉鬆魯肉飯」お試し下さい。
 最後に、いつも贅沢に色んなご馳走をして下さる台湾の皆様がた、散々ご馳走して肉鬆魯肉飯かい、と思われるといけません。ごめんなさい、そうではないのです。頂いたご馳走は脳裏にしっかりと刻まれています。しかし肉鬆魯肉飯は麻薬のように体に染みこんでいるのは、皆さまもおわかりでしょう。
 以上、魯肉飯の話でした。


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台湾国立成功大学客員教授  <Visiting Professor of Taiwan NCKU>

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