院長ブログ

医師である前にひとであれ

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 今朝の中日新聞記事に驚きました。30年前のある出来事がこのように展開するとは・・・。
 「大学院出て30歳前後、大学病院であるお子様と出会いました。体あらゆるところから出血を起こす重篤な疾患にかかり、後輩の小児科の主治医に頼まれ、昼夜問わず鼻出血で何度も彼の部屋に駆けつけました。患者にとって止血処置は正直苦痛であり、ましてや小さなお子様。彼は常に怯えていたため、暇さえあれば彼の部屋に訪れ、声をかけ、人形を渡したりして距離を縮めました。しばらくして、私は留学で米国に渡りました。」
正直、このことは脳裏から記憶が消えていました。ある方の取り計らいで、彼と30年ぶりに再会するまで。彼はその後元気になり、大好きな動物を老人施設などに届け、ひとを元気にする動物介在福祉士として活躍し、このことがメディアに取り上げられるようになりました。いつしか彼が取材中に過去の病気を話し、ならば主治医との再会の場を設けて下さいました。
 彼を担当していた小児科主治医は立派な先生として紹介されるのは当然です。しかし、横で手伝っていただけの私の名前まで挙げてくれたことに、驚きを隠せません。彼を励ますために、私は何度か手紙を書いて渡していたようですが、記憶に残っていません。客観的にこの出来事をみると、「立派じゃん」と思う反面、「いやいや、悪魔の顔を誰もが知らない」と自分のことを理解しているつもりです。
 冷静に、当時「私がなぜ天使でいられたか」を考えると、ある姿が脳裏に蘇りました。「医師である前に、ひとであれ!」を教えてくれた父母の背中がありました。このことに気づいた時、既に感謝の言葉が届かない状態になっていることを後悔します。
 ひとを評価するのって、お金?地位?名誉?インパクトファクター?どれも悪くないが、それらを重視する人たちには手に入らない幸せがあるかも。


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