院長ブログ

綺麗になった彼氏

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

会話のひと言目は「彼氏と呼んだらいい?彼女?」。
「彼女」とすぐに回答が戻った。
「そりゃそうだ、愚問でした」とすぐに詫びた。
フェースブックから友人申請された時、メッセージが添えられなかったら一瞬戸惑ったかも知れない。
「先生の教え子です」と言われても、記憶にない・・・。
約30年間医学部で教育にも携わり、年間百名だとすると、計3千以上の学生がいた。フェースブックのおかげで「教え子です」、という友人申請が増え、とても嬉しい。しかし今回はしばらく考え込んだ。
話を聞きたかった。還暦に大学を卒業した私にとって今のテーマは、社会全体の大きさが学びたい、人生すべての疑問を解決して神さまに会いに行きたい、の二点だ。少しの会話ですぐに彼女がここに至るまでの苦労が垣間見えた。
卒後は命を落としていた未熟児の為に高等な医術を学び、NICUに勤め、未熟児の肌に触れるたびこうなりたい女性が沢山いるだろうなと、心に抱いたそうだ。一緒に仕事もしたようだが、やはりその頃の彼と目の前の彼女が一致しない。私がサポートしたというが、その記憶もない。早く急いでなぜ彼女がここまでに至ったかが知りたい一心だった。
「まず親説得するのに大変だったじゃない?」
「二年間口聞いて貰えなかったが、今では毎朝電話するよね」と、隣にいた彼女の事務長兼ドライバーと目を見合わせた。
若い彼女が名古屋いちの繁華街真中で競争の激しい美容クリニックをどう運営しているのか、が次の疑問だったが、すぐにこれも愚問だとわかった。
彼女は今では宣伝費も使わずに、インスタの世界やマスメディアで注目の人物。私のクリニック検索数はせいぜい百単位だが、彼女はその数十〜百倍。今の時代、宣伝費が運営の圧迫になるが、彼女の場合はもはや芸能人なみだ。
ちなみに私の場合は少ない検索でも意外と満足している。私の目的はクリニックが社会に必要とされ、予約が埋まり、職員を養うことができれば充分。詐欺まがいな広告会社も存在する業界に費用を投じたいと思わないところで意見が一致した。
華やかに見える彼女だが、時折顔が曇る。そりゃそうだ、どの経営者でも裏では泣いているのさ。最後にひと言送って、会がお開きになった。
「若いうちから自分の生きるべき姿に気づき、すべての壁を取り払った苦労は凡人では真似できない、私は還暦になってやっとそれに気づいているのだから。今の路線でいけば、じき全国であなたを知らないひとがいなくなるよ。理想のクリニック展開に向け頑張って下さい」
って、お前自分のクリニック大丈夫かよ、と思う自分もいるが、師匠と呼ばれるなら、少しくらいはかっこをつけさせてくれや。


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