院長ブログ

エスプレッソのアメリカン

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 たまにおしゃれだと言われることがあります。心のなかでクスッと笑ってしまいます。子どもたちのお下がりばかり着ているからです。シーズン中は恥ずかしくて着られないが、若者が飽きた頃におじさんがお下がりを着ると、おしゃれだと言われます、クスッ。
 数年前六本木ミッドランドで働く息子とデートした時、スタバ行きたいと言ったら、「スタバは古いよ」と言われて、ブルーボトルカフェに連れて行かれました。フランチャイズなのになんじゃこのおしゃれ度は!お客さんも美男美女!聞けばカリフォルニアから来たカフェだが、日本の喫茶店で一杯ずつドリップして美味しいコーヒーに感動した方が起業したそうな。
 なるほどここのコーヒーは一杯一杯がまるで違う料理を食べるような複雑な味。元来あまり酸味は好きではないが、ここのコーヒーは酸味と呼ぶには失礼。フルーツだ、と感じることができるほど、味が深い。
 東京で次々と店ができるなか、この一角はスタバが有名な待ち合わせ場所なのに、それを見下ろすようにマウントするところに出店!「今は苦みがほしいな」と素直に店員に伝えると、エスプレッソのアメリカンはどうですかと。一瞬笑えました、濃縮ジュースの水割り?そう言えば大学時代ある海外ゲストの接待を担当し、ホテルビュッフェ朝食におともした際、「コーヒーマシーンのコーヒーは薄いから」と、コーヒーがまだ出ている途中でカップを外し、「残り半分にエスプレッソを加えるとちょうどいいよ」とそのゲストに教えられたことがありました。さすが世界飛び回る有名人は違うなと変に感動したことがありました。
 子どもの頃、大人ってなんでこんなまずいものを飲むのだろうかと思っていました。いつから苦みが好きになったのだろうか。今ではこの苦みを飲むのがたまらなくおいしいって、やっと大人になったのかな。コーヒー飲みながらググったところ、ブルーボトルカフェもまた名古屋飛ばしで、京都に出店したことを知りました。名古屋は日本で一番商売がしにくいとも言われ、外と接する必要もなく、名古屋で世界が完結できる不思議な文化があるからでしょう。さすがコメダだとも思いました。こんな街の駅前でクリニック出そうとするあほちんがいるもんだ、苦笑。台湾に育ち、田中角栄が日中国交を始めたことが大きな国際問題となり、幼少時いきなり家族で日本に連れて来られました。実家と離れて、まさか名古屋という不思議な地に根付くとは思いませんでした。
 目の前に流れる人たちをみながら、大都会に爆弾が落ちたらどうなるのだろうかと、不思議な思いが湧きました。いやいや、ありえない、いやいや、今日もウクライナの人たちが苦しんでいる、そして台湾にいる親戚や友人たちを思い、祈りました。このような葛藤で人生が繰り返されるから、ひとは苦いコーヒーがほしくなるものでしょうかね。


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