院長ブログ

30か月と3000名の新患様

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 開院してから30ヶ月目、新患が丁度3000名になりました。めまいと睡眠しか診察しないのにも拘わらず、月に100名の新しい方が遠方から訪れ、9割が二カ所以上受診された方々ばかりでした。根拠なしでは治療を行わない、対症療法ではなく、根底から確定診断と新たなる治療方針を立て、できるだけ薬物に頼らず三ヶ月を目安にゴールを設定する、こんな無謀なコンセプトはやがて社会に拒絶され、閉院に追い込まれるだろうと、冷ややかに思っていました。
 時代に要求されている三拍子「早くて安くてうまい」に逆い、「遅くて高くてまずい」クリニックに、こんなに沢山の方がいらしたことに、まずは心から御礼申し上げます。還暦過ぎたら体力と認知機能が落ちるかと思いましたが、ますます元気になったような気がします。高い位置から見下ろす大学診察では到底理解できなかった患者様の気持ちから、新知見が学べ、現場にフィードバックできることを最大の喜びに感じます。
 初年度の最遠方は四国高知、翌年は長崎対馬からの患者様でしたが、今年は小笠原諸島から年輩のかたがいらっしゃいました。なぜここを知ったの?と聞くと、全く見覚えのないサプリメントの折り込みを出され、当院と院長の写真が勝手に使われたことを知りました。その折り込みから会社にクレーム入れようと思ったら連絡先一切載っておらず、訪問販売で来たとのこと。サプリメント飲んでもよくならないからわざわざ受診したと言われると、葛藤する気持ちが穏やかになりました。それでもこの方の予約には一週間以上待たせました。完全予約でお断りせざるを得ないのは、診察の質を落とさないためとご理解頂けたら幸いです。
 それでも社会に応えている医療であるかどうかの自問は消えません。三年目から、ある傾向に安堵する気持ちが多少湧きました。ご紹介頂いた医療施設からリピートのご依頼が増えました。また、遠方なのに地元に戻った患者様から噂を聞いたという方も少なくありません。すべての方に感謝申し上げます。この医療を受け入れて下さる社会がおられる以上、来年の目標として次世代に継承する努力をしたいと思います。
 お会いした3000名のなか、全員が当院の医療を満足されたとは思いません。逆に不満を抱いた患者様のご要望をどこまで応えることができるか、永遠に終わらない煩悩に苦しみ続けたいと思います。皆さまに怒られることを前提に、当院に「早くて安くてうまい」をお求めになられても、お応えするのは無理です。治らないと言われた苦しみを抱える方々、おひとりでも多く救いたい気持ちは誰よりも強く持っています。時に熱くなり過ぎて耳に痛いことも申し上げますが、その後、私は心を痛めています。
 クリニックを支えてくれる全てのスタッフによって成り立つ医療です。全スタッフが皆さまの家族だと思って、気軽に遊びにいらして下さい。今後ともどうかよろしくお願いいたします。


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