院長ブログ

ハンバーグは不況食?

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 睡眠医療に携わる人間なら、子どもたちの睡眠が粗末にされている現状を憂い、何かの行動を起こしているはず。残念ながら力の持っている教育者たちが興味を持つのは、子どもたちの偏差値であり健全な子たちを育てるという訳でもないことを散見します。東邦大学坂本なほ子教授と名古屋市小学生の睡眠についてエビデンスベース調査を行い、国際雑誌(BMC Public Health 2022 May 18;22(1):1006. doi: 10.1186/s12889-022-13389-1.)でその危険性を啓発しています。昼夜逆転である若者の概日睡眠リズム障害が増えれば、既に日本人口の1%が引きこもりである数字は、さらに増えるでしょう。
 東邦大学は丁度蒲田と大森の間、協同研究打ち合わせのたび、B級グルメの多い蒲田に降り、ついで食べ歩いてから帰るパターンが多かったのですが、ちょっと厭きて最近は大森に進出。前回行列できて入れなかった店に再チャレンジ。絶品でした。
 サイトでみるとハンバーグが一押し。これまで自分から進んでハンバーグを食べることはありませんでした。トラウマがあったのです。留学の1990年代、日本のことをよく知る日系三世から、なぜ日本では大人までがハンバーグが好きなのか理解できないと、言われた会話から始まりました。
「アメリカにハンバーガーはあるが、夕食にハンバーグたるものが食卓に上ることはないし、あってもミートローフだ。そもそもミートローフは大恐慌が起きた時に職を失った人たちから生み出されたクズ肉を使った料理で、”Depression Food”不況飯と呼ばれるものだよ」と。留学時代貧乏だったから、挽肉ばかり買っていた自分が窮屈な思いをした覚えがありました。
 次回彼が来たらここのレストランに連れて来て、彼の偏見を変えてあげたい。それは楕円形、高さ3cmあるハンバーグは切れば肉汁の洪水が起きるのは目に見え、ところがそれは溢れた際に濃いデミグラーと合わさったことをまで計算されているのが見事!フライドポテトの一部を残して潰して、ソースの一滴も残さずこすりとって完食しました。
 ハンバーグの前に、決して安価と思えないポテサラになぜか惹かれて注文。するとハンバーグ以上に裏切られました。おもちゃのラグビーボールくらいあるポテサラが届きびっくり。なんと注文入ってからポテト茹でて、崩して、焼いたコーンやベーコンなどと合わせ。こりゃこの手間じゃ逆に安価だと感動。
 仲良し兄弟で営み、店名は兄弟を意味するフランス語「レ・フレール」、凄腕のシェフが作るハンバーグは不況食どころか、心を豊かにしてくれました。プロだ!プロなら睡眠医療はできて当たり前、後世が豊かになる何かを残すとしたら、時代とともにさらに悪化する子どもたちの睡眠について、啓発をし続けたい、そんな気持ちにさせてくれた料理でした。


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