院長紹介

当院院長が大学在籍中に掲載された国際論文ですが、睡眠障害とめまい疾患についてのみ抜粋し、院長本人と後輩医師たちが心血注ぎ研究した結晶を記します。
この一滴により、症状に苦しむ患者様が救われる、そして未来の患者様が救われることに繋がる滴となるよう、祈ります。

1. Nakayama M, Nakano N, Mihara T, Arima S, Sato S, Kabaya K, Suzuki M, Kitahara T. Two cases of exploding head syndrome documented by polysomnography that improved after treatment. J Clin Sleep Med. 2020 Spe 22. Doi: 10.5664/jcsm.8790.

★大学を離れる最後の論文となりましたが、それまで世界で約50しか報告例がなかった「頭内爆発音症候群」という稀な疾患を2症例経験。努力を惜しまない中野技師とともに、わずか数秒の発作記録に成功し、そして治療効果を記載した初めての原著論文となりました。睡眠臨床で最高峰の国際医学雑誌JCSMに受理されることは容易なことではありませんが、編集長から「睡眠医学に欠けていた情報を提供して貰い感謝する」との言葉を頂き、修正なしで掲載されました。還暦になって、やっと大学から卒業できる論文が書けたと思える最終作であります。稀な疾患に出会うには多くの経験が必要であり、これからはこの経験を生かし、症状に苦しむ患者様の為努力しようと学ばされた論文でした。

2. Takabayashi K, Nakayama M, Nagamine M, Fujita T. The impact of nasal surgery on sleep quality. Auris Nasus Larynx. 2020 Oct 26;S0385-8146(20)30260-1. Doi: 10.1016/j.anl.2020.09.013

当院院長は医学教育に対して注力は惜しまず、度々ボランティアで勉強会や市民講座を公開しています。以前開催した睡眠勉強会に集まった医師のひとりに北海道旭川市の鼻科専門医・高林宏輔先生がおられました。素晴らしい医学的技術を持っているにもかかわらず論文発表がなく、折角の技術が勿体ないと思い、インターネットなどで遠隔的に指導し協同論文「鼻手術による鼻通気が睡眠に与える影響」について立派な国際論文を書かれました。高林先生はこの論文掲載に惹起されその後も書き続け、現在中山とともにインターネットで全国の若手医師に論文作成指導を行っています。

3. Kabaya K, Kondo M, Naganuma H, Nakamura Y, Mihara T, Umibe A, Sato T, Imai T, Suzuki K, Ishii M, Takei Y, Fushiki H, Kiyomizu K, Goto F, Fukui A, Sakamoto N, Horii A, Nakayama M, Iwasaki S. Disability in protracted benign paroxysmal positional vertigo at one month from symptom onset – A questionnaire survey. J Otol Rhinol 2020, 9:6.

長く続きなかなか治らない慢性めまいは、世界のめまい専門医にとって共通の悩みでありました。それが近年、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)として解明されるようになり、当院院長はこの不可解な疾患の解明に立ち上がり、全国に呼びかけ多施設で約5年がかりで協同研究を行いました。大勢の研究者の協力のもとで、良性発作性頭位めまい症はどの程度PPPDに移行するか、初めての前向き研究でありました。

4. Yamada G, Ueki Y, Oishi N, Oguri T, Fukui A, Nakayama M, Sano Y, Kandori A, Kan H, Arai N, Sakurai K, Wada I, Matsukawa N. Nigrostriatal dopaminergic dysfunction and altered functional connectivity in REM sleep behavior disorder with mild motor impairment. Front Neurol. 2019 Jul 26;10:802.

睡眠中に暴れてしまうレム睡眠行動障害は、パーキンソン病やレビー小体型認知症に移行する可能性があると言われていますが、実際どの程度のかたが既に脳に変化を来しているかについては知られていません。この問題に早くから取り組み、名市大睡眠医療センターと神経内科の協同研究を行い、2017年世界睡眠学会で受賞しました。夜中に寝言が多く、それに伴って手足が動くなどの異常行動があったら、一度睡眠専門医に相談することをお勧めします。

5. Arima S, Koike S, Fujinaga M, Mihara T, Sato S, Suzuki M, Murakami S, Nakayama M. Normalization of breathing with adenotonsillectomy in Japanese pediatric OSA. Auris Nasus Larynx. 2019 Oct;46(5):758-763.

日本から小児睡眠時無呼吸症候群のまとまった治療効果が国際的に報告されないなか、この追跡により初めて日本小児特有の病態が発見されました。小児睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方々にとってひとつの治療指標になるかと思います。当院院長が指導した最後の学位論文でありますが、この研究で新たなる博士が誕生しました。筆者は育児のために長年大学を離れた素敵なお母様ですが、お子様の成長に伴い、睡眠グループに加わり、わずか数年の間に国際論文を複数枚、睡眠専門医、漢方専門医を修得し、大学院まで卒業されました。これまでに稀な研究者モデルになられたことを誇りに思います。

6. Morimoto H, Asai Y, Johnson EG, Koide Y, Niki J, Sakai S, Nakayama M, Kabaya K, Fukui A, Mizutani Y, Mizutani T, Ueki Y, Mizutani J, Ueki T, Wada I. Objective measures of physical activity in patients with chronic unilateral vestibular hypofunction, and its relationship to handicap, anxiety and postural stability. Auris Nasus Larynx 46(1):70-77, 2019.

日本のめまいリハビリは海外に比べかなり遅れをとっています。当院院長は1990年代既に米国にてめまいリハビリを学び、臨床経験も積みました。帰国後すぐに理学療法士の育成を開始し、多施設で協同研究を行い、科学研究費も取得しました。一側性前庭機能障害の患者が、どのような状況でめまいリハビリを受けるとより良い治療効果が出るのかについて追跡した、日本では貴重なめまいリハビリの論文です。この仕事とともに多くの理学療法士がめまい治療に注目するようになり、今もその熱気が全国に広がっています。

7. Liu XL, Wang J, Hong Z, Nakayama M. A preliminary study on the correlation between obstructive sleep apnea hypopnea syndrome and chronic tinnitus. J Clin Otorhinolaryngol Head Neck Surg (China) 32: 575-578, 2018. doi:10.13201/j.issn.1001-1781.2018.08.004

当院院長が大学睡眠医療センター在任中に指導した中国留学医師・劉秀麗先生は帰国後、睡眠時無呼吸症候群と耳鳴の関係を研究し出された成果。今では大連医科大学神経耳科の教授として活躍されている海外門下生の一人です。

8. Li HY, Lee LA, Kezirian EJ, Nakayama M. Suspension Palatoplasty for obstructive sleep apnea – A preliminary study. Sci Rep. 2018. Mar;8(1):4224. doi: 10.1038/s41598-018-22710-1.

東南アジアではもっとも著名な睡眠外科医として世界を飛び回る台湾台北長庚病院耳鼻咽喉科&睡眠科・李学禹教授とともに、多くの協同研究および睡眠手術を開発して参りました。日本で開催された学会で出会い、数十年来日本と台湾の睡眠医学の架け橋としての役割を努めて参りました。

9. Fukui A, Nakayama M, Sakamoto N, Arima S, Sato S, Suzuki M, Murakami S. Relation between globus pharyngeus and OSA in patients examined simultaneously by PSG and pH monitor: a cross sectional study. Auris Nasus Larynx. doi: 10.1016/j.anl.2018.01.014., 2018.

当院院長が大学在籍中に指導した国内留学生による研究です。咽喉頭異常感症という原因が特定できないことも多い疾患が睡眠時無呼吸症候群と関連性を持つということを初めての報告した論文で、東京の大学からやって当地で医学博士学位を修得されました。

10. Nakano N, Kinoshita F, Takada H, Nakayama M. Electromyography analysis of rapid eye movement sleep behavior disorder. Nihon Eiseigaku Zasshi. 73(1):27-33, 2018.

優秀な中野睡眠検査技師とともに福井大学工学部の皆様と研究した仕事です。レム睡眠行動障害の急速眼球運動を分析し、工学的観点から何か医学貢献できないかとの思いから湧いた研究です。

11. Arima S, Sato S, Tsuchimochi T, Nakayama M. A case of involuntary rhythmic and characteristic tapping sounds during sleep. Sleep Medicine 36: 35-37, 2017.

睡眠中ずっと舌鳴らしを続け、様々な治療を試したが効果がなく、世界に意見を求めるためにまとめた難病の一例です。患者様の協力と理解があって、そして精力的に論文まとめてくれた後輩がいて実った仕事です。

12. Sakamoto N, Gozal D, Smith DL, Yang L, Morimoto N, Wada H, Maruyama, Ikeda A, Suzuki Y, Nakayama M, Horiguchi I, Tanigawa T. Sleep duration, anoring prevalence, obesity, and behavioral problems in a large cohort of primary school students in Japan. Sleep. 2017 Mar 1;40(3). Doi: 10.1093/sleep/zsx082.

時代の変化にともなって、生活が乱れ、その影で子どもたちの睡眠が粗末にされがちです。各学校で小児の睡眠問題を話題にするものの、科学的分析にしたデータは少ないです。小児睡眠が年々悪化することを懸念し集まった仲間が愛媛市で子どもたちの睡眠動態について追跡し、この研究は現在名古屋市でも行っています。

13. Nakayama M, Masuda A, Ando KB, Arima S, Kabaya K, Inagaki A, Nakamura Y, Suzuki M, Brodie H, Diaz RC, Murakami S. A pilot study on the efficacy of continuous positive airway pressure (CPAP) on the manifestations of Meniere’s disease in patients with concomitant obstructive sleep apnea syndrome (OSAS). J Clin Sleep Med. 2015 Jun 11. Pii:jc-oo316-14.

★メニエール病には隠れた無呼吸患者が多数存在し、CPAP治療をしたところ聴力まで改善する症例もあることに気づき行った研究論文で、現在、当院院長の治療方法の原点となった研究です。内耳障害には充分な酸素が必要であることが知られ、1980年代は高圧酸素治療などが行われて来ました。ところが実は昼間にその治療を行っても効果は薄く、睡眠中に行うべきだと判明した驚きを報告しました。

14. Kondo M, Kiyomizu K, Goto F, Kitahara T, Imai T, Hashimoto M, Shimogori H, Ikezono T, Nakayama M, Watanabe N, Akechi T. Analysis of vestibular-balance symptoms according to symptom duration: dimensionality of the vertigo symptom scale-short form. Health and Quality of Life Outcomes (2015) 13:4  DOI 10.1186/s12955-015-0207-7

めまい症状で、どこの医療施設に行っても解明されないふわふわする気持ち悪いものがあります。近年やっとこのことが注目されるようになりましたが、医療者が持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)に興味を持たない頃から、全国の研究者に呼びかけ多施設で約5年がかりで行った協同研究です。PPPD患者が苦しむめまい症状を理解するためのアンケートを作成し、その効果を追跡した研究です。

15. Nishiyama T, Mizuno T, Kojima M, Suzuki S, Kitajima T, Ando KB, Kuriyama S, Nakayama M. Criterion validity of the Pittsburgh Sleep Quality Index and Epworth Sleepiness Scale for the diagnosis of sleep disorders. Sleep Med. 15:422-429, 2014.

睡眠状態を知るため、もっとも簡単な方法はアンケートを用いることであります。睡眠の世界ではもっとも使われているアンケートのPSQIとESSは果たして睡眠疾患の何について、どの程度わかるのかをそれぞれ吟味した論文です。公衆衛生専門家の分析から異なった観点を学ばせて頂いた協同研究です。

16. Nakayama M, Kabaya K. Obstructive sleep apnea syndrome as a novel cause for Meniere’s disease. Curr Opin Otolaryngol Head Neck Surg. 21:503-508, 2013.

★2010年頃から当院院長はメニエール病と睡眠時無呼吸症候群の関連性に着目して研究をしていましたが、日本ではそれほど話題になりませんでした。ところが米国耳鼻咽喉科学会から最先端めまい治療特集を組むため執筆依頼したいと招待され、名誉ある論文となり、以降世界各国から多くの研究者から声をかけられるようになりました。

17. Nakayama M, Shigefumi Koike, Shinichi Kuriyama, Motohiko Suzuki, Yoshihisa Nakamura, Katsunori Yamamoto, Shingo Murakami, David Gozal. Seasonal variation in a clinical referral pediatric cohort at risk for obstructive sleep apnea. Int J. Pediatr. Otorhinolaryngol. 77:266-269,2013.

★小児睡眠時無呼吸症候群についての病態解明は未だに遅れており、当院院長は以前から小児の睡眠研究についても注力して参りました。小児睡眠時無呼吸症候群治療の第一選択は手術であるにも関わらず、治療基準がありません。小児は大人と違い、病態が季節で変動することを発見し、治療する際に季節変動を考慮するべきだと海外に向けても啓発しました。

18. Kabaya K, Takemura K, Watanabe N, Esaki S, Sato Y, Tanaka C, Nakayama M, Hashiba M, Hattori K, Umezaki T, Murakami S. Quantitative evaluation of acceleraion in the vestibular organ. Nagoya Med J. 62, 99-116, 2012.

19. Tanaka C, Watanabe N, Sato Y, Kabaya K, Takemura K, Nakayama M, Hashiba M, Aihara N, Murakami S. Charecteristics of head stabilization in patients with unilateral vestibular schwannoma during perturbation. Nagoya Med. J. 52: 13-23, 2011.

20. Sato Y, Watanabe N, Hashiba M, Tanaka C, Kabaya K, Takemura K, Nakayama M, Murakami S. Effect of visual percepetion and predictability on head stabilization during perturabation in human. Nagoya Med. J. 50:127-136. 2009.

名古屋市立大学耳鼻咽喉科は古くからめまい研究の盛んな医局であり、当院院長が着任した直後から大学院生指導の仕事が待っていました。後に日本耳鼻咽喉科学会理事長になられた当時の耳鼻咽喉科村上信五教授は当院院長を育てた恩人であり、右に出るひとがいない頭蓋底手術専門家でもあるため、全国から多くの聴神経腫瘍患者が集まりました。患者様から頂いた検査値は未来の医学の発展に活かすべく、大学院生とともに研究をして参りました。田中史子先生と佐藤雄二先生とともに患者の平衡機能について追跡し、後に在職中中山の右腕となった蒲谷嘉代子医師は前庭器の加速度センサー分析をし、今では大学のめまいグループを指導する立場にあります。

21. Taki Y, Iida T, Nakayama M, Nakagami Y, Maruta K, Teradaira R, Ito Y. Sleep quality and mental stress influence salivary melatonin concentrations. J. Analytical Bio-Science. 35:234-240, 2012.

藤田保健衛生大学の皆様方との協同研究で、睡眠ホルモンであるメラトニンが睡眠の質やメンタル状態とどのような関連性を持つかについての研究。臨床検査の世界では珍しい睡眠専門家の伊藤康宏教授には違う観点をご教授賜り感謝です。

22. Kiyomizu K, Matsuda K, Torihara K, Nakayama M, Ishida Y, Yoshida K, Tono T. Neuro-otological findings in psychiatric patients with nystagmus. Eur Arch Otorhinolaryngol. 268:13-19, 2011.

23. Kiyomizu K, Matsuda K, Torihara K, Nakayama M, Komaki S, Tono T, Ishida Y, Yoshida K, Kimitsuki T. Nystagmus using video-oculography in psychiatric patients.  Eur Arch Otorhinolaryngol. 266:1167-1174.2009.

24. Kiyomizu K, Matsuda K, Nakayama M, Tono T, Matsuura K, Kawano H, Toyama K, Komune S.  Preservation of the auditory nerve function after translabyrinthine removal of vestibular schwannoma. Auris Nasus Larynx. 33:7-11. 2006.

愛知医科大学在籍中、当院院長がめまいと心理の関連性を解明していた頃、この研究に興味を持ち、にわざわざ宮崎から学びに来た国内留学生の清水謙祐先生との協同研究です。後に精神科病院に入って精神疾患特有のめまい研究を行い、今ではめまいと心身の分野で日本の学術を牽引しています。青は藍より出でて藍より青しとはこういうことであると感じさせられました。

25. Gozal D, Shata A, Nakayama M, Spruyt K.Seasonal variability of sleep-disordered breathing in children. Pediatr Pulmonol. 46:581-586, 2011.

小児にも睡眠時無呼吸症候群が存在することがあまり知られていない頃、当院院長が主張していた小児の無呼吸は季節変動があることに賛同されたシカゴ大学小児科Gozal教授とともに行った米国小児睡眠動態を追跡した仕事です。世界小児睡眠時無呼吸症候群診断基準は一回でも無呼吸があれば病気であるとしたが、それに反論した論文であります。

26. Nakayama M, Suzuki M, Inagaki A, Takemura K, Watanabe N, Tanigawa T, Okamoto K, Hattori H, Brodie H, Murakami S. Impaired quality of sleep in Meniere’s disease patients. Clinical Sleep Medicine. 6:445-449.2010.

★名古屋市立大学睡眠医療センターを開設した初年度に発表した研究で、後に当院院長の治療方針を大きく変え、世界からも大きな評価を受けた仕事です。メニエール病はストレスと関連し、繰り返される難病だと知られていますが、具体的に客観的なストレスの評価方法がなければ対策方法もありませんでした。ストレスは睡眠に必ず影響するので、メニエール病患者の睡眠脳波に異常が出るのではないかと考え、初めてメニエール病患者は睡眠障害と関連性を持つことを発見し報告しました。後に睡眠改善することでメニエール病が改善する報告が世界で随従されるようになったきっかけの論文であります。

27. Nakayama M, Tanigawa T, Tanaka H, Yabushita H, Shiomi T, Sato Y, Inagaki A, Suzuki M, Murakami S. An obstructive sleep apnea syndrome boy with adenotonsillar hypertrophy has already shown abnormal deglutition from a fetal period. Nagoya Med. J. 50: 77-81. 2009.

愛知医科大学から名古屋市立大学に着任して初めて書いた珍しい睡眠症例。扁桃肥大で睡眠時無呼吸症候群重症だったお子様が手術して開口癖が治ったと両親に喜ばれました。実は胎内エコーから胎児時期にも常時開口して嚥下を繰り返す不思議な行動を産婦人科医が驚いていた、というビデオを見せられ、無呼吸は胎児の段階から予告できる可能性があると報告。

28. Nakayama M, Epley JM. BPPV and variants: Improved treatment results with automated, nystagmus-based repositioning. Otolaryngol- Head and Neck Surgery. 133:107-112. 2005.

★朝起きたら天井がぐるぐるまわるめまいは、耳石の病気である良性発作性頭位めまい症の可能性が高いです。その治療法を発見した故・John Epley先生は恩師のひとりであります。当時米国大学の有名教授の仮説に異論を唱えた彼は開業医であるが故、誰しもが彼の論説に耳を傾けませんでした。留学し彼の元で直接Epley法を伝授されました、論文をあまり書かない彼と一緒に全データをまとめた論文です。この論文により耳石置換法は世界に広まりました。

29. Miyao E, Nakayama M, Noda A, Miyao M, Arasaki H. Oral appliance therapy for a child with sleep apnea syndrome due to palatine tonsil hypertrophy. Sleep and Biological Rhythms. 5:289-291. 2007.

30. Miyao E,Nakayama M,Noda A,Miyao M,Yasuma F,Hashioka T, Esaki K. Orthodontic treatment for obstructive sleep apnea syndrome.Sleep and Biological Rhythms. 2: 229-231.2004.

31. Miyao E, Miyao M, Ohta T, Okawa M, Inafuku S, Nakayama M.Differential Diagnosis of obstructive sleep apnea.Psychiatry and Clinical Neurosciences. 54:659-64. 2000.
現在成人睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択はCPAPですが、CPAPが容易処方できなかった頃は耳鼻科医が手術、歯科医がマウスピースを作成して治療に貢献しました。古くから睡眠専門歯科医・矯正歯科医の宮尾悦子先生と強い連携により、歯科の知識を沢山教わり、全国の歯科医師との繋がりのきっかけとなりました。当院院長が愛知医科大学在職中初めての歯科医学博士学位授与となり、今でも大切な親友であります。

32. Tabata R, Yin M, Nakayama M, Ikeda M, Hata T, Shibata Y, Itasaka Y, Ishikawa K, Okawa M, Miyazaki S.  A preliminary study on the influence of obstructive sleep apnea upon cumulative parasympathetic system activity.  Auris Nasus Larynx. 35:242-246. 2008.

33. Yin M, Nakayama M, Miyazaki S, Ishikawa K. How much influence does inspiration have on pulse trasit time during sleep apnea. Otolaryngol Head Neck Surg. 138:619-625. 2008.

34. Shi HB, Cheng L, Nakayama M, Kakazu Y, Yin M, Miyoshi A, Komune S. Effective comparison of two auto-CPAP devices for treatment of obstructive sleep apnea based on polysomnographic evaluation. Auris Nasus Larynx. 32:237-241. 2005.

35. Cheng L,Nakayama M, Shi HB,Yin M,Mao XQ,Yamasaki A, Sambe T,Enomoto T,Sahashi N,Shirakawa T,Miyoshi A. Allergic sensitization to ragweed and orchard grass pollens among Chinese schoolchildren: an epidemiological study in Jiangsu Province. J Palynol. 50:95-104. 2004.

36. Shi HB, Nakayama M, Cheng L, Zhang L, Di Q, Sakurai Y, Suzuki S, Yamamoto T, Komiyama S, Miyoshi A.Sudden hearing loss as a manifestation in a case of Arnold-Chiari malformation.Otologia Fukuoka. 49(Suppl.2):69-75. 2003.

37. Shi HB, Nakayama M, Cheng L, Zhang L, Di Q, Konda R, Sambe T, Yamamoto T, Komiyama S, Miyoshi A.Acoustic neuroma presenting as sudden and fluctuating hearing loss : a review and case report. Otologia Fukuoka. 49(Suppl.2):76-80. 2003.

38. Shi HB, Nakayama M, Cheng L, Yin M, Konda R, Sambe T, Yamamoto T, Komiyama S, Miyoshi A.Headache, vomiting, and nystagmus : a case of cerebellar hemangioblastomas. Otologia Fukuoka. 49(Suppl.2):81-85. 2003.

39. Peng JR, Nakayama M, Song XH, Cai X, Chen LS, Fu YG, Miyoshi A. Shape memory alloy stent for the treatment of laryngeal stenosis. : Clinical analysis of 21 cases. Otologia Fukuoka. 49(Suppl.2):86-91. 2003.

40. Yin M, Cheng L, Nakayama M, Bao YS, Peng J R, Konda R, Sambe T, Miyazaki S, Ishikawa K, Miyoshi A.  Subarachnoid hemorrhage with the first complaint of otalgia.: A case report. Otologia Fukuoka. 49(Suppl.2):92-96. 2003.

33〜40までの論文について:仙台在住の三好彰先生は、耳鼻咽喉科開業医でありながらも臨床の傍ら学術、教育貢献に惜しまない医師であります。それどころか、中国から沢山の留学生を受け入れ、生活から研究からお世話をされました。このグループに当院院長も加えて頂き、当時注目され始めた睡眠時無呼吸症候群についての研究を中国の先生がたとともに思い出深い時間を過ごしました。先生がたは中国に戻られ、それぞれ活躍中ですが、昨年当院院長は上海の学会で講演招待された際、そのひとりである時海波先生と久しぶりに再会し、立派な教授になられたことを喜びました。

41. Shiga A, Nakagawa T, Nakayama M, Endo T, Iguchi F, Kim TS, Naito Y, Ito J.Effects on vestibulo-ocular responses in C57BL/6 mice: Comparison with alteration in auditory function.Audiol Neurootol. 10:97-104.2005

42. Tanigawa T, Tanaka H, Hayashi K, Nakayama M, Iwasaki S, Banno S, Takumida M, Brodie H, Inafuku S. Effects of hydrogen peroxide on vestibular hair cells in the guinea pig: importance of cell membrane impairment preceding cell death. Acta  Oto-Laryngologica, 128: 1196-1202. 2008.

43. Takada H, Kitaoka Y, Iwase S, Shimizu Y, Watanabe T, Nakayama M, Miyao M, Mihashi K.Characteristic changes of sway of center of gravity with advancing age. Environmental medicine. 47:85-89.  2003.

44. Sato T, Wilson TS, Hughes LF, Konrad HR, Nakayama,M and Helfert, R.H. Age-related changes in levels of tyrosine kinase b receptor and fibroblast growth factor receptor 2 in the rat inferior colliculus: Implications for neural senescence. Neuroscience. 103:695-702. 2001.

45. Nakayama M, Caspary D,Konrad H,Milbrandt J,Helfert R.Age-related changes in [3H]strychnine  binding in the vestibular nuclei of rats.Hear.Res. 1;127:103-7. 1999.

46. Nakayama M, Riggs LC, Matz GJ. Quantitative study of vestibulotoxicity induced by gentamicin or cisplatin in the guinea pig. Laryngoscope. 106:162-167. 1996.

47. Nakayama M, Helfert RH, Konrad HR, Caspary DM.  Scanning electron microscopic evaluation of age-related changes in the rat vestibular epithelium.  Otolaryngol-Head and Neck Surgery. 111:799-806. 1994.

41〜47までの論文について:当院院長は大学院卒業後渡米し、南イリノイ大学(Southern Illinois University, School of Medicine)に渡り、基礎研究を長年続け、一時は米国に永住しようとさえ思ったほど研究室に溶け込んでいました。
後に愛知医科大学から2名後輩を留学に送った後、愛知医科大学と南イリノイ大学の姉妹校提携にも尽力し、今でも交流が続いています。
画家の基本はデッサンであるように、医学の根本は基礎研究であり、そしてそれをさらに次世代に伝える継承する義務があると思っています。
当院院長は医学部卒後約10年間、臨床とともに動物を用いた基礎研究、そして大学院生指導に勤しんだことが、今日の、常に先端的な医療に携わろうと志す礎となりました。


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