院長ブログ

「ありがとう」を言いに、30年ぶりにアメリカへ飛んだ話

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

人生を変えてくれた恩師のひとり、Horst Konrad教授が体調を崩しているという知らせを受けて、気づいたら飛行機のチケットを取っていました。
教授はかつて、Southern Illinois University医学部の耳鼻科を率いていた方。あの頃の私といえば「とにかく留学したい!」という情熱だけは人一倍あったのに、何しろ新設大学。院内に留学経験者なんてひとりもいない。手探りで20通ほど手紙を書き送った中で、受け入れてくださったのが教授でした。
後から知ったのですが、教授はナチスに追われてアメリカに渡ったポーランド人。祖国を出たのは、私と同じく12歳のときでした。国を出た者同士、どこかで通じるものがあったのかもしれません。
この留学で、私の中に「学術の土台」と「リサーチマインド」がしっかり根付きました。帰国後は母校と姉妹校提携が実現し、今も交流が続いているそうで、同期の子どもたちが次々と留学しているという話を聞くたびに、「またひとりの若者の人生が豊かになっていくんだなあ」と、じんわり嬉しくなります。
数十年ぶりのアメリカ、いろいろ変わってました(笑)
ドルは留学当時の2倍。旅費は3倍。流行のSteak & Shakeでバーガー2つとシェイクを頼んだら、30ドル=約6,000円!
…でも、そんなこと関係ない。どうしても、どうしても「ありがとう」の一言が言いたくて、飛んできたのです。
教授が暮らすのは、アメリカ人なら誰もが憧れるフロリダ。「羨ましい〜!」と思って訪ねてみると、現実はもう少し静かなものでした。老衰も重なり、ほぼ毎日お家で過ごし、理学療法士がリハビリに通ってくる日々。
「じゃあ、彼のベビーシッターよろしくね!」と、元気いっぱいの奥様はコミュニティ活動へお出かけ。残された私たちは、昔話が止まらない止まらない。思い出を語るたびに、教授の目がキラッと輝いて見えました。
そして、日本では絶対にあり得ない(笑)展開が待っていました。
「料理が得意だから、作ろうか?」と言ったら、「あら、じゃあお願いね」とあっさりOK。
滞在中の数日間すべて、私が三食作り、家事もお手伝いする日々に。気づいたら完全にお世話係でしたが、これはこれで幸せな時間でした。
それでも、この程度で恩返しなんて、とても仕切れるものじゃない。
今、こうして幸せでいられる自分には、「ありがとう」を伝えたい人たちがまだまだたくさんいます。だから、これからもちょくちょく、そのための旅に出かけようと思っています。


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