鼓膜や難聴?
医局の先輩であり、私に落語の楽しさを教えて下さった蒲郡市つげ耳鼻科柘植勇人院長は、いつも医局行事に引っ張り出されたものでした。正直時々先生にとっては地獄だったと思います。
例えば結婚式の乾杯後のスピーチ、誰も聞いていない環境で落語をやらせる残酷。村上信五先生は結構無茶ぶりする面白い教授でした。一度当番直前トイレで先生と立ち○ョ○していたら、先生は天井をみながら、硬直しながら、即興で作った創作落語をぶつぶつ練習し、いつまでも便器から離れませんでした。
「君たちは医師だからね、交通違反すると困るよ!・・・・・、もっとも違反していけないのは、信五・無視だからね」という見事な落ちに感銘した憶えがあります。プロ落語家としてのお見事なお返しだと、幹事だった自分ひとりが腹を抱えて笑いました。
柘植先生は年に一度クリニックを開放し、市民に落語の面白さを教えるため、お菓子袋つきでプロの落語家とともに高座を開き、お邪魔させて頂いたことがあります。われわれからすると、落語ができるお医者さまですが、思えば落語家が医療できる方がインパクトあります。
2025.6.20.NHKニュースまるっとで蒲郡市紹介で柘植先生が登場、その名も「駒久家南朝」、鼓膜や難聴なのでした、笑。認知症になる最大の誘因は難聴、その啓発活動を落語で観客が大笑い。
久しぶりにみる柘植先生、いや、駒久家南朝さん、いい年をとられてかっこいい本物の落語家になりました。