夢のクイーンエリザベス
子どもの頃からの夢がやっと叶いました。還暦からの開業が落ち着き、昨年子どもたちが全員自立しましたところでクルーズの広告が目に入り、直ちにクリックしてしまいました。相談なしで勝手に決めるには理由があります。船は世界回ってスケジュールは1年前から決まっており、一定区間を切り売りし始めた時に早く乗る決心しないと乗れません。今回は連休前半にかかっていたので、間の平日を休ませて頂いて願いが叶いました。
キュナード社(当時タイタニック社が自社沈没船を放置した方が法的処理楽と判断したが、SOSを聞いて航路を変更して助けに行き、後に世界に讃えられ現在も最強クルーズ社)の直接販売だったので、思った以上手頃で驚きました。勝手に決めたと怒っていたワイフが、降りる前日にはまた乗りたいと思ったよう。喜んだ理由のひとつは、部屋に荷物散らかしたまま楽しめるとのこと。乗る前不安だらけだった自分がいたので、今後どなたかの参考のために情報を残したいと思います。
<費用>
・大凡1日3−6万x日数です。費用の違いは部屋のランクです。窓のない部屋〜バルコニーつきで変わります。最上階にスイトがありますが、0がひとつ違います。食事からルームサービスまで、無論船内のショー鑑賞なども料金に含まれ、渡されたクレカと連結している船内カードで買い物までが済みます。部屋の質は東京なら一泊5万円するレベル。旅費、宿泊、食事が含まれると思うと、どうやって利益出しているか不思議です。ただし、帰りの飛行機は別計算です。今回台湾まで5日の旅、計算すると国内旅行よりもリーズナブルであるかがわかります。
・海外は水でも費用取るので水分を心配しましたが、ノンアルならコーヒー含め24時間準備されています。アルコールは費用がかかりますが、放題パックがあります。クルーズ楽しむひとつに、飲兵衛がずっと幸せな気分でいられるとのこと。ちなみに飲めないわれわれは、部屋にあったウェルカムシャンパンをちびちび飲むので楽しめました。
・日本人不得意なチップも含まれています。東南アジアウェイターやウェイトレスが多く、笑顔が素敵で親切です。部屋はずっと同じ担当が1日2回清掃をしてくれ、レストランでも楽しい会話を楽しめた子たちには毎回気持ちだけ渡しました。部屋担当は滞在中名前まで覚えてくれて、小さな気遣いで心が温まるので、良き旅のためにワンコインでも沢山準備しておくといいかも。
<食事>
・大きくいうと二つ、全員が入れるほど大きなビュッフェルームと大きなレストランがあります。朝ルームサービス、昼はビュッフェ、夜はレストランを使いました。意外と多くの人たちに受けたのはプールサイドにあるハンバーガーでした。
・レストランは前菜、サラダ、メイン、デザート、それぞれが4種類から選ぶシステム、毎日メニューが変わるので全く飽きが来ません。食べログ3.6の味で大満足です。レストランは予約すると並ばずに済み、乗船して真っ先にしました。
・服装:通常はカジュアル、レストランは男性ジャケットあれば大丈夫です。ただし週に二回正装する日があり、指定が「ブラック&ホワイト」の日、船旅慣れた男性はタキシード着ていましたが、白いシャツネクタイとダークスーツで大丈夫でした。野暮ったい男性の表現で申し訳ないが、女性たちは結婚式かデパートに行く時の装いだと思いました。仮面舞踏会の日もあり、準備忘れると船内で高い仮面を買わされます。幸い今回それを躱せたので、さもなければ乗船前ドンキに寄っていたと思います、笑。日本の夫妻はともに正装する日が少ないことを狙い、写真館には行列ができました。船内には素敵なロビー階段が多く、あっちこっちで撮影していました。
<イベント>
・時間余るかと思い本を持ち込みましたが、ほぼ読めずに終わってしまいました。なぜこんなに時間の余裕がなかったのか。よく考えると、夜食含めた四食計算すると、1日5−6時間は食べています、笑。無論体重増加は覚悟して下さい。ちなみに下船して3kg増えました。
・毎晩ショーがあります。結構世界で賞をとったレベルの高いパフォーマンスばかりでした。毎晩必ず8時から始まるショーを見ると決め、すると早い夕食を済ませるなどと逆算し、朝食時間まで決まり、規則正しい毎日を過ごせるようにできます。睡眠の先生だから睡眠は崩しません、笑。
・船内あっちこっちで生演奏、夜は何よりも誰もが通る中央のダンスホールで踊っているのが華やかです。ソーシャルダンスが楽しみに乗船しているカップルが大勢いました。ひとりでもスタッフが踊りを誘導してくれます。教養がないわれわれは眺めているだけでした。
・最高のイベントは、沢山友人ができることでした。どなたもフレンドリーで、心が豊かな方々でした。人生にひとストーリーがある人たちばかりで、話題がつきません。不思議な空間で、どなたに声かけても、声をかけられても即友だち化!ランチで一緒にしたご夫妻はオハイオ州駐在経験で、われわれは隣のイリノイ州にいた話だけでも2時間消えました。ショーを待つ間、左隣の奥様が声をかけて下さり、沈黙したご主人がのどに手を当てて話そうとしたので、すぐに喉頭癌の術後と察し「御無理なく」と申し上げた途端、向こうもこっちの職業を察した、というような心の会話ができました。
「どちらで手術されたの?」
「○○病院」
「当時は○○部長でしたね?あの先生に手術して貰ったなら再発しない、絶対」と話すと、ご主人は笑みが溢れました。
お二人は毎年乗船しているとのこと。今年が最後と言いながら10数年乗船しているそうです。
どんな人生を過ごして来られた人たちだろうかと、想像するのもまた楽しい船旅のあるあるです。
<健康面>
・誰しもが怖がる船酔い。実はめまい専門家なのに笑えない乗り物酔いするひとです。酔い止めを沢山持ち込みましたが、最後までぜんぜん問題なし。船は着岸した時から揺れていますが、ゆっくりした心地良い揺れです。右に揺れ左に揺れ、真ん中に戻る時間を1秒だとすると、これを1ヘルツ(Hz)と言いますが、実は1Hzは揺り籠の揺れなので、心地よいのです。ただし天気にもよりますが、曇った日はもう少し揺れ感が強くありました。楽しみが船酔いに勝つ、という気持ちを持つのが重要じゃないかと思います。
・実際乗船できるのは時間に束縛のない高齢者が多いでしょう。歩行困難な親を車椅子に載せた親孝行の方もいます。そのためか、5日の乗船中に2度ヘリコプター救命搬送がありました。最後は4日目だったのでしたが、沖縄への搬送と報告があり、台湾近くまでほとんど日本領域と改めて認識。乱暴者もしが台湾に悪戯したら、日本は知らぬ顔できない事実がよくわかりました。
・そう言えば船降りてから体が揺れる感じが3,4日残りました。家にいても船と同じ1Hzの揺れを感じ、これが下船病か!私は毎日診ている患者の苦しみがわかったことの喜びと、自分の速度蓄積機能が働いている安堵感と、小脳機能改善が若い時より遅れていることの悲しみで複雑な心境でした。脳裏で明峰患者と中山先生が戦っていました。
<最後に>
休みのため多くの患者さんに迷惑かけました。11連休とったため、直前多忙にさせたスタッフたちに最大の感謝です。何よりも船に乗れるには、健康な体と愛する家族がいることが条件だと思いました。すべての方々に感謝を申し上げ、連休明けたらまた頑張ります!