院長ブログ

若気の至り

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 1985年から1986年まで元・掛川市民病院で研修をしていました。この街では多くを学び、数々の迷惑をかけ、一方で楽しい思い出もたくさん作りました。ただ、迷惑をかけたことの方が多かったと思います。祭りの時期になると、街全体で大騒ぎとなり、お祭りが学校行事になるほどでした。酔っ払いの喧嘩や飲酒運転による事故、嘔吐する人など、当直の夜は大変でした。
 厳格なクリスチャンファミリーで育ち、遊び盛りの大学時代には教会から離れていましたが、この街にいた時、無性に教会に行きたくなり、裏通りにある暗い感じの古い教会を見つけました。教会員は少なかったものの、牧師は熱心で、誰もいない時でも空席に向かって説教をしていたことに、遅れて入った際に驚いたこともありました。牧師はよく話を聞いてくれ、悩み多き青年だった私に残した言葉は、今でも心に刻まれており、それらは次に悩む人々伝えられました。その後、私が名古屋に戻る頃に、牧師も他の教会に移ることになりました。あの牧師にもう一度会いたく思いながらも連絡先が分からず、教会がどうなっているのか、何十年も気に掛かっていました。
 数年前、掛川から通院していた患者さんが体調を崩し、元気をなくしていることを奥様から聞きました。人として、医師として、クリスチャンとして、掛川に行くべきことができたと感じました。
 たまたま空いている日曜日が今日だけで、ちょうどクリスマス礼拝の日でした。当時の暗い雰囲気の教会とは違い、とても明るく可愛らしい教会になっていました。後に伺ったところ、建て替えの際に光をたっぷり取り入れる設計をお願いしたとのことでした。
 女性牧師の説教は威厳があり、力強い言葉が心に響きました。そしてクリスマス会で見せた割烹着姿の牧師は、とてもチャーミングで楽しい方でした。偶然にも、私が会いたがっていた元牧師からクリスマスカードが届いていて、連絡先が分かりました。教会員の皆さんも親切で、高齢化問題を感じさせないほど元気いっぱいの教会でした。
 数ヶ月ぶりにお会いした患者さんは、横になってばかりだったようですが、私が訪れると聞いて奥様が無理に起こしたそうです。寝れば寝るほど体力が落ちるのは、気力がなくなっているからでしょう。元気が出るように抱きしめ、一緒に写真を撮ったら、笑顔を見せてくれました。また時々掛川に行こうと思います。教会で祈ったことがずっと彼と共にありますように。


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