人種のるつぼ
「人種のるつぼ」は英語ではmelting pot、ニューヨークの多人種間に生まれた恋愛劇曲から生まれた言葉です。初めてNYに行った時、機内で知り合った米人にイタリアン飯を勧められ、行った先はイタリア村とイタリア語が飛び交い、さらにすぐ隣に誰もが英語を話さない中華街、外国人が自国の文化を残して生きている世界があることに驚きました。
小学校の終わり頃から来日した1970年代、次々と高層ビルが建ち並ぶ新宿に未来を感じました。大学時代、映画でみる「Yがつく自由業の方々」の派手な世界に怖物見たさ、友人とつるんで夜の歌舞伎町を見学し、日本人が多種いることを知りました。
韓流ブームが流行ると、新宿北側のコリアンタウンが急激に発展し、新大久保駅の東一帯はまるでソウルにいるようです。10年前あたりでしょうか、新大久保と大久保駅間わずかな距離に中華をメインにイスラム教圏まで把握できないほどの、「人種のるつぼ」ができました。ひまある限り、新宿区の成長を見続けています。
よく怖くないね、と言われますが、いやいや、日本国内に怖い場所はありませんよ、銃で撃たれないから、笑。とは言え、大久保一帯はあまり夜遅くまで滞在しようとしたことはありません。
この街に、友人ができました!
ある時、面識のない宮田先生からSNSで、私の父母と食事する写真が送られてきました。宮田先生が友人と話していたら私に繋がったよう。早速休診日にお会いして頂きました。失礼と知りながらも、単純に思った疑問を次々と投げましたが、何一つ嫌がらず答えて頂きました。
なぜここで開業?
「かなり高次機能組織で胃腸系専門スキルをつけていたが、よくある白い巨塔問題で揺れた時に、バイトしていた病院が百人町にあり、そこからのご縁。」
外国人の割合?
「5割以上」
インバウンドに手を出したがる医療施設も多いが、実際積極的に外国人診察をする私は決して楽な仕事だと思いません。手間は何倍も多いのでは?
「その通り!自分の価値観を押しつける国民もいるし、言葉が全く通じないひともいる。言葉はAIが発達して本当に良かった。正直大変。」
なぜ敢えてこんなしんどい仕事を選ぶ?
「自分にしかできないプレアー、現場にいる選手でいたいから・・・。後は感謝の気持ちかな。毎日近くの媽祖廟にお参りに行っている。」
この答えで自分が恥ずかしくなり、ここで質問が途切れました。
話伺うだけでも、宮田先生は相当胃腸検査に卓越していることがわかります。カメラ装置も最先端、説明して下さった時、「上下」ともにさっとやると言われました。この一言に門外漢でさえ聞き逃せません。多くの医師「上」はやりますが、「上下」をさっとやるのは自信がある医師だけです。
実は自分が受けていない胃腸検査は「下」だけ。実に美味しい台湾料理をご馳走して頂きながら、この先生にデビュー戦を任せようかなと思いました。新宿区の成長を見守る目標がもうひとつできました。