院長ブログ

イーブンな夫婦関係

公開日:
監修:めいほう睡眠めまいクリニック院長 中山明峰

 家族行事でもっとも大切にして来なかったイベントを久しぶりにしようと言い出したら、びっくりされました。そもそも相手もこの日を忘れていました、笑。数字覚えるのが不得意な私がなぜ覚えているって?日程を電子化したらスマホが教えてくれました。銀婚式とっくに過ぎて、数えて31年。誕生日が2ヶ月違いの同じ医局、学生時代から数えると約40年の帆走。昨年の1月に病気がみつかって名市大病院泌尿器科主治医方のご尽力により新しい命を頂き、振るい立たして人生のゴールに向かって再スタートをきり、理想のクリニックを立ち上げ、半年過ぎました。
 普通ならば大変だったでしょ、と聞かれるところでしょうが、最高に幸せな半年でした。語れぬ紆余曲折はあったとしても、すべてが新たなる勉強となり、過去の失敗が生かせてこなすことに夢中で、苦難を楽しい、とさえ思えるようになりました。開院とともにクリニックの予約が満杯で、大学時代よりさらにバージョンアップした診察が開業してもできることに、業者を含めた関係者が驚いています。
 細かいことまで検査し、症状を再分析する、時間をかけて結果説明し、なるべく薬物に頼らない治療方針を患者と一緒に検討する、症状に合わせて生活指導、リハビリを行う、3ヶ月で完治することを目標とする方針に、何年も症状に悩まされた患者が来て良かったとの声に心が癒やされました。たまに若いひとに、面倒、検査したがり、費用かかる、態度が悪いと貶されることもありますが、どうか早くて手間と費用がかからなくて、優しくて、という医療施設が見つかりますようにと祈り、頭を下げてお詫びすることもできるようになったのは、大学にいる時よりは進化したように感じます。
 なぜか人生のゴールが明るいものにしか見えない幸福感が続いています。これがマラソンハイか、と感じながら、感謝する気持ちがあるならば表さなくちゃ、と思いました。まずはこの幸福感を与えてくれている亡き母を含めたすべての人たちを思って教会で祈り、スタッフ、主治医、友人へのお礼の言葉を送りました。ふと、伴侶には何もしていなかったことに気づきました。
 久しぶりに正装してシャンパングラスで乾杯する場所に誘いました。この半年、私は医療に専念し、面倒な裏方を全部投げたため、彼女を嫌ったスタッフもいたかも知れません。一方、面白いくらい鎖国で生きているひとであり、携帯はガラケー、SNSは家族LINE以外しない、無論このブログの内容には一切興味ないし、ひとにどう思われてもなんとも思わず、実にマイペースであります。価値観も趣味も異なるため、一般夫婦では珍しいかも知れませんが、意外と食事では会話が弾む方です。とは言え、久しぶりの食事の話題がビジネスライクに行っているのはまずいと思いながら、職場での愚痴もあろうと耳を傾けました。世の諸君よ、高いプレゼントよりも配偶者には耳を傾け、頷きましょう!
「悪いけど、私は一度嫌ったら土下座されても二度と許す気はないのよね」
げげげ、話題の急な方向転回、古傷を持ち出すのか、湾岸戦争以来だぞ、この話題を曲げないと再び掘り起こされる!
「そんなにひとを許せないあなたが、なぜ私のことを許して来れたのか」
含みを持った会話は料理をまずくするので、自爆してみよう、食事中なら爆風が軽く済むはず。
彼女は黙りこんで少し考え込んで、
「それはお互いさまではないですか」
うわ!イーブンだと思っている!それよりも土下座までした覚えはないが、対象は私ではなかった!危うく自爆するところだった!
ということで、30年以上同道を歩めたのは、お互いにイーブンだと思える心が大切だと、改めてキーワードとして脳裏に刻んだ夜でした。
子どもたちへ、君たちの両親はよく言い争いをしているが、大丈夫だからね。これが夫婦ってもんだよ。だから結婚に背を向けるのはやめようね・・・


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