「めまいが続くのに異常なし」PPPDという病気をご存知ですか? @第88回日本耳鼻咽喉科臨床学会
立っているだけでふわふわする、歩くと揺れる感じがする——そんな症状が続くのに、検査では異常が見つからない。そのような場合、「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」という診断が当てはまることがあります。
PPPDは、内耳などの器官の異常だけでなく、心理的なストレスや感覚の過敏さが深く関わる、複雑なめまいです。治療法としては薬物療法やリハビリ、認知行動療法(CBT)などが報告されていますが、当院では初診の段階からCBTを中心に据えた治療を行っています。
なぜなら、PPPDは「めまいへの恐怖」や「避ける行動」が症状を長引かせる悪循環を生むからです。薬やリハビリも有効ですが、当院ではそれらをCBTの一手段として位置づけ、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療を心がけています。
今回、平均年齢63歳のPPPD患者50名に対し、患者教育・段階的な動作練習・CBT的アプローチを組み合わせた月1回・3ヶ月間のプログラムを実施しました。薬を使わなかった方も含め、めまいの程度・不安感・日常生活への支障など、すべての評価項目で有意な改善が認められました。
さらに、同じ症状を持つ患者さんが一緒に取り組むグループ形式が、「自分だけではない」という安心感を生み、心理的な負担を和らげる効果も示唆されました。
PPPDは決して「気のせい」ではありません。適切な理解と治療で、必ず改善への道があります。
